日本音楽家ユニオン中部地方本部通信

日本音楽家ユニオン中部地方本部第31回定期大会 大会宣言

 2021年6月30日(木)、ZOOMオンライン会議にて日本音楽家ユニオン中部地方本部第31回定期大会を開催いたしました。今回の大会では大会宣言を採択しましたので、以下に掲載いたします。ぜひご一読ください。

大会宣言

 昨年初めから世界的な流行を見せてきた新型コロナウィルス感染症の影響で、わが国でも生活は一変し、現在もなお、その影響は続いている。多くの都道府県に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が繰り返し発出され、コンサートホールやライブハウスは時短営業や営業休止に追いやられた。各オーケストラを始めとする音楽団体の演奏活動も休止や内容の変更などを余儀なくされ、その経営も多大なる打撃を被った。またアマチュア団体や学校部活動では、昨年はコンクールなどが中止に追い込まれ、未だに活動を再開出来ない団体も少なくない。

 感染症対策の影響による公演のキャンセルについては、フリーランスに対してはほとんどの場合、キャンセル料などは支払われないのが実情である。コンサートホールやライブハウスの客席数制限についても、入場制限による主催団体の負担増に対して使用料減免などの措置が取られることもあるが、決して十分ではない。感染症対策として数多く行われたリモート演奏や配信も、決して生演奏のコンサートを代替できるものではない。そして、こういった現状に対して、国や自治体などからの補助金や財政的補填もまったく不十分と言わざるを得ないのが現状である。

 音楽家と聴衆、社会で暮らす人々の健康を守ることはもちろん大切であるが、一律の自粛や過度な要請によって実演家が演奏機会を奪われたり、アマチュア団体の活動や学校部活動が理不尽に阻害されたりしているとしたらどうなのであろうか。さきに文化庁から発出されたメッセージ(*1)にもあるように、文化芸術活動は決して不要でもなければ不急でもない。音楽文化はわれわれに安らぎや希望を与えてくれるかけがえのないものである。そして、一度絶やしてしまえば、再生することはきわめて困難である。

 われわれ日本音楽家ユニオン中部地方本部は、感染症対策によっていたずらに演奏機会を奪われることに断固反対する。また、国や自治体に対して実演家などへの十分な補償を訴えていく。そして文化を守り、生演奏とそれが出来る環境を守るために今後も闘っていくことを、ここに宣言する。

令和三年六月三十日
日本音楽家ユニオン中部地方本部第三十一回定期大会

*1 令和三年五月文化庁発出、「文化芸術に関わる全ての皆様へ

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大会宣言


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